クリニック・ハイジーアは、PMS/PMDDを根本治療

PMS/PMDDとは?鑑別診断

鑑別診断にあたり即時的記録や前方視的記録が必要です。
そして当然ですが、もっとも重要なポイントになるのは、月経困難症(機能的または器質的)とうつ病、PMDD、気分変調性障害不安障害、甲状腺機能低下症などを除外することです。
また、PTSDやDVなどの関連性も考慮することも必要になります。
PMSは10歳代からの発症例もありますが、「30歳代中期症候群」とも言われ、うつ病もまた30歳代からの発症が多いため、最初に鑑別することが重要です。
大坪天平「内科医のためのうつ病診療」診療のノウハウM.I.N.Iの使い方Modern Physician2002;22:1069-1073から、精神疾患簡易構造化面接法は、うつ病の疑いがあるかどうかの診断のよい参考とされています。
うつ病の疑い、死の願望などの症状がある場合は、精神科での治療領域となります。

月経前不快気分障害(PMDD)研究用基準案(DSM-IV) American Psychiatric Association. Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders-IV (fourth ed.). Washington,D.C.:American Psychiatric Association,1994
A. 過去1年間の月経周期のほとんどで、以下の症例の5つ(または、それ以上)が黄体期の最後の週の大半の時間に存在し、卵胞期の開始後2、3日以内に消失し始め、月経後1週間は存在しなかった。(1) (2) (3) (4)のいずれかの症状が少なくとも一つ存在する。
(1) 著しい抑うつ気分、絶望感、自己卑下の観念
(2) 著しい不安、緊張、「緊張が高まっている」とか、「いら立っている」という感情
(3) 著しい情緒不安定(例:突然悲しくなるまたは涙もろくなるという感じ、または拒絶に対する敏感さの増大)
(4) 持続的で著しい怒り、易怒性、または対人関係の摩擦の増加
(5) 日常の活動に対する興味の減退(例:仕事、学校、友人、趣味)
(6) 集中困難の自覚
(7) 倦怠感、易疲労性、または気力の著しい欠如
(8) 食欲の著名な変化、過食、または特定の食べ物への渇望
(9) 過眠または不眠
(10) 圧倒される、または制御不能という自覚
(11) 他の身体症状、例えば、乳房の圧痛または主要、頭痛、関節痛または筋肉痛、「膨らんでいる」感覚、体重増加
注 : 月経のある女性では、黄体期は排卵と月経開始の間の時期に対応し、卵胞期は月経とともに始まる。月経の無い女性(例えば、子宮摘出を受けた女性)では、黄体期と卵胞期の時期決定には、循環血中性ホルモンの測定が必要であろう。
B. この障害は、仕事又は学校、または通常の社会的活動や他社との対人関係を著しく防げる(例:社会的活動の回避、仕事又は学校での生産性および効率の低下)
C. この障害は、大うつ病性障害、パニック障害、気分変調性障害、または人格障害のような、他の障害の症状単なる悪化ではない(ただし、これらの障害のどれに重なってもよい)
D. 基準A、B、およびCは、症状のある性周期の少なくとも連続2回について、前方視的に行われる毎日の評定により確認される(診断は、この確認に先立ち、暫定的にされてもよい)

上記の表のとおり、精神科領域ではDiagnostic and Statistical Manual of Mental Deisorders-IV(DMS-IV)でPMSの重症型としてPMDDの研究用基準案が報告されています。 PMDDはPMSと比較してより精神的症状が主体となる症候群ですが、表に示す厳しい基準を用いることによって、一般的な身体症状が強いPMSと区別することができます。

月経前に症状が憎悪する疾患
  1. 月経困難症(機能的、器質的)
  2. うつ病偏頭痛
  3. 不安障害(anxiety disorder):パニック障害(panic disorder)を含む
  4. 周期性乳房痛(cyclic mastalgia)
  5. 痙攣性疾患
  6. 気管支ぜんそく
  7. 慢性疲労症候群
  8. アレルギー
  9. 甲状腺機能異常
  10. 副腎機能異常
  11. 閉経への移行時期

上記は、鑑別診断する代表的な疾患を示しています。
真の月経関連片頭痛(menstrual-associated migraine)は、黄体期または月経期飲みに認める頭痛ですあり一般的ではありません。
また日本では乳房痛をPMSの症状としておりよく見られる症状の一つでありますが、ACOGの診断基準は乳房痛でなく乳房圧痛とされています。
精神的症状が強いPMDDの乳房痛は、重度ではないため特別な治療の必要性はないと考えられています。