クリニック・ハイジーアは、PMS/PMDDを根本治療

PMS/PMDDとは?PMS/PMDDの標準治療

我が国日本ではPMSの実体については報告があるものの、標準治療(低用量ピルや向精神薬等を使った投薬治療)としての婦人科臨床でのエビデンスは現在のところ報告されていません。
婦人科臨床における重要度はあくまでPMSの診断であり、重症度の把握であります。
一般的な非薬物療法を下記の表に記載していますが、欧米では代替医療として治療頻度の高いとされる栄養療法や機能性低血糖症の概念については含まれていません。
黄体期におもに分泌されるプロゲステロンは体内の血糖値を一定に保つための重要な働きをするセロトニンの分泌を抑制し、インスリン抵抗性を招くため、月経前は機能性低血糖症に陥りやすい時期でありますが、そのような時期に炭水化物の摂取をするとより月経前の不快症状が悪化することが考えられ、はなはだ疑問を感じざるをえません。
また月経前症候群に悩む若い世代の女性に対して投薬治療が中心の日本の臨床現場について、あえて苦言を申し上げたい。

非薬物療法
  1. 食事 : 炭水化物の摂取、カルシウム1,200㎎/day、マグネシウム、ビタミンE、ビタミンB6、γ-リノレン酸含有食品
  2. 嗜好品 : カフェイン、アルコール制限、禁煙(受動も含む)
  3. 運動(有酸素運動)
  4. 支持療法 認知行動療法など

また、PMS/PMDDの重症度別治療方針(Johnson SR. Premenstrual Syndrome, Premenstrual Dysphoric Disorder, and Beyond : AClinical Preuner for Practitioners. Obstet Gynedol 2004;104(4):845-859)を、下記のとおり示します。

PMS/PMDDの需要度別治療方針
Level 1 : 軽症から中等症のPMS
ライフスタイル : 有酸素運動、栄養療法(カフェイン、塩分、アルコール摂取の減量、炭水化物摂取の増量
毎日カルシウムまたはマグネシウムのサプリメントの摂取、イチゴ類などの摂取
Level 1a : 身体的症状の有意なPMS
Spironolactone : 乳房圧痛、腹部膨張感
経口避妊薬や酢酸メドロキシプロゲステロンデポー剤 : 乳房痛、急激な腹痛(あるいはこむら返り)、その他の腹痛
消炎鎮痛薬 : 黄体期に起きるほとんどの身体症状
Level 3 : 気分障害が強いPMS/PMDD
A. 症状のある日にのみSSRIを使用
B. 毎日SSRIを使用
C. SSRIの効果がない、許容されない場合はSSRI投与を断念する前に少なくとも二つのSSRI(venlaflacineを含む)を加え試みる
D. 黄体期のbuspirone投与
Level 4 : Level 1から3の治療に反応しないPMDD
A. 持続的高用量progestin(medroxyprogesterone acetate 20-30mg daily, or depo medroxyprogesterone acetate 150mg every 3 months)
B. GnRHa投与(6か月以上続ける場合はaddback)
C. 両側卵巣摘出(GnRHaが有効であることが示され、唯一の選択である場合のみ)
2-4周期効果が得られなかった場合は、次のレベルに進展する

1) 毎日症状日誌をつけることで主訴の改善につながるとされるが、それよりも鑑別診断に必要であると考えられます。
症状日誌といっても特別なフォーマットがあるわけではなく、各自で症状記入基礎体温用紙を作成しても良い、またPMSメモリーなどを用いても良いでしょう。
PMSと診断された後は、症状の程度の記載のみでも構いませんが、経過途中で新たな症状が出現した場合は日誌に追加するように指導します。
日常生活に支障をきたすほど症状が強いPMS患者の場合、障害が治療されなくても続発症を起こすことはないとされるが、実際には継続する場合が多いことも付け加えます。

2) 患者が症状改善を希望する場合、治療をすることを決定します。
最初に行われる治療は、非薬物療法です。
軽症から中等症のPMSは食事療法、毎日の運動、ストレス管理、リラクゼーション、支持療法などの非薬物療法をおこないます。
支持療法とは毎日日誌をつけること、月経に関連した症状について家族や第三者と討論すること、行動の改良などを指します。

3) 身体症状が有意なPMS患者には、日本の婦人科臨床の現場では排卵抑制を目的としたEP剤や漢方療法、疼痛に対してはNSAIDs、あるいは乳房(圧)痛にプロモクリプチンを投薬します。
PMS/PMDD治療に頻度の高い漢方薬は、当帰芍薬散、加味逍遥散、桂枝茯苓丸、温清飲などがあります。

4) 重症のPMSでは非薬物療法を補助療法として、薬物療法が一般的におこなわれています。
イライラ、抑うつがセロトニン低下と関連があると考えられているため、情緒的症状が強い場合はSSRI(選択制セロトニン再取り込み阻害薬)が使用されます。
PMS/PMDDに対するSSRIの治療は、黄体期飲みの投与で効果が見られるとの報告がされています。